このカードを当てて下さい。  

 ディーラーをやっていたときの事です。一人のお客さんがやってきました。その人は、昨日色んな手品を見せた、バイク好きのお客さんでした。その人が「トランプを貸して」と言うので渡すと、そのトランプを混ぜ、中から1枚取り出して、私にこう言いました。

「これが何かを当てて下さい。」と…。

私が『それを当てれるなら、今頃超能力者でテレビに出てますよ』と言ったが聞き入れてもらえず、「いいから当てて!」と無茶な事を言ってきました。
避ける事は出来ないようである。

そこで私はこう言いました。

『あなたの持っているカードは…、ダイヤの5です。』…と。

そのお客さんはかなり驚いていました。
カードが当たっていたからです。
そのお客さんは、カードの裏を見たりとかなり焦っていました。
そのお客さんが言いました。
「もう一度、やってもらってもいいですか?」
私が『いいですよ』と答えると、今度は3歩ほど下がり、同じようにデックを混ぜ、中から1枚のカードを選びました。
3歩下がったのはおそらく、カードの裏に何か小さなマークが書いてあると思ったのでしょう。それと、ひょっとすると偶然かも知れないと言う思いもあったと思います。

私は言いました。

『あなたの持っているカードは…、クラブの10です。』

信じられないといった表情でした。
その後は、昨日見せた商品を買って帰りました。

私自身、カードを当てれて、ホッとしました。
そのお客さんがバイク好きで、助かりました。
持っていたヘルメットにたまたまカードが映ったので、当てることが出来ました。
このような形でピークをするなど、何度か経験したことがあります。
コーヒーカップ、テーブルに置かれたサングラス、テーブルの装飾についている金属のパーツなど。
ジッポーライターなら、何気なくテーブルに置いておいても違和感はありません。ただあまりにピカピカだと、気付かれる可能性は高いです。
あと少し幅のある指輪をしていると、指輪に反射してインデックスが見えます。
あとビニールの付いたデックケースも映りますが、そのままだと少し見えにくいので、ケースとビニールの間に黒などの色の濃い物を入れておくと、反射が見えやすくなります。
例えば名刺だとか、予言の紙に黒い部分があるとか。

それにしても、上に書いたような“挑戦”は受けたくないものですね。




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